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火星の砂と酵母で作る低品質コンクリートによる住宅建設の可能性

火星で住宅建設の課題
別の惑星に人類が定住するためには、多くの問題を克服する必要があります。その中でも住居の確保は大きな挑戦です。本稿では、火星表面に存在する材料といくつかの工夫だけで住宅を建てられるという新しい研究成果を紹介します。
砂と酵母で作る低品質コンクリート
2023年9月10日に『Chem Circularity』誌に掲載された研究によれば、火星の砂をゼラチン、酵母、そして火星環境だけで機能的に低品質コンクリートへ変換できることが示されました。乾燥した寒冷・低圧の環境下で混合物が凍結乾燥し、多孔質で発泡状の材料となります。この材料は10〜12メガパスカルの強度を持ち、地球上の低品質コンクリートと同等です。
実験結果と性能
研究チームは、火星環境を模した装置内でワインコルクサイズの蜂巣形構造を3Dプリントし、実際に強度を確認しました。また、この手法は1階または2階建ての住宅を建設できるほどの強度があり、火星の重力が地球の約1/3であることから、十分に耐久性があります。
放射線防護と今後の展望
放射線防護については、二重壁構造に約2 mmの火星土壌を充填する方法が提案されていますが、さらなる検証が必要です。さらに、使用済みの構造物はバイオリアクターで分解し、酵母が増殖すれば再び建材として利用できる循環型システムも示唆されています。
他のアプローチとの比較
過去にはインド宇宙研究機関が火星土壌とガラクトマンナン、尿素、ニッケル塩化物、細菌Sporosarcina pasteurii を用いた「スペースブリック」を開発した例や、NASA が2015〜2019 年に実施した3Dプリント住宅コンテストなど、多様な試みが行われています。本研究は、火星の環境を直接的に活用する点で従来の「地球で製造→火星へ搬入」方式とは一線を画しています。
まとめ
火星の砂と酵母、ゼラチンという身近な材料だけで、現地環境を利用した低品質コンクリートが生成できることが実証されました。この技術は火星だけでなく、月面基地の建設にも応用可能です。研究者は「物理的・根本的な制約は見当たらない」と述べ、将来的な規模拡大に自信を示しています。
元記事: https://www.cnet.com/science/of-yeast-gelatin-brew-houses-mars/