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大気を取り込み軌道を保つ新型衛星推進システム

A man wearing a respirator amid smoky conditions, highlighting air pollution and climate change.

概要

スペインの新興企業クライオス・スペースは、大気中の酸素や窒素などの残留ガスを採取し、衛星のスラスターの推進剤として利用する「空気呼吸型電気推進システム」を開発した。この技術により、衛星は従来の軌道よりも低い超低軌道(VLEO)― 地表から約100km〜400km(60〜250マイル)上空 ― を安定して周回できるようになる。

空気呼吸型電気推進の仕組み

システムは衛星に推進剤を搭載せず、上層大気から空気を汲み上げて加熱・イオン化し、噴射して推力を生み出す。これにより、大気抵抗に対抗するための大量の燃料が不要となり、打ち上げコストの削減が期待できる。

実証状況と今後のミッション

クライオスは2021年に実験室でプロトタイプをテストし、2028年予定のミッションで初めて宇宙空間で空気呼吸システムを試験すると発表した。最初の軌道デモでは、リトアニア拠点のKongsberg NanoAvionics社が提供する超小型衛星バスを使用し、空気吸引推進装置を宇宙へ搭載した。

今後のミッションでは、技術の検証に加えて環境測定や、可視・近赤外(VNIR)領域でサブメートル解像度の画像取得を目指す。

期待される効果

VLEOでの衛星運用は、地表に近いため高解像度の観測画像や強い通信信号が得られ、従来と同等以上の性能を小型部品で実現できる。また、低軌道に比べて混雑が少なく、宇宙ゴミの影響も限定的である。CEOのアドリアン・セナール氏は「衛星がより低く、より長く、より効率的に飛行できれば、地球観測や通信、ミッションの応答性が向上し、持続可能な軌道インフラが構築できる」とコメントしている。

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