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人類が古代から追い求めてきた時間への挑戦

古代神話に映る時間のイメージ
ギリシャ神話では、時間の原初的な神クロノスは、人間・雄牛・ライオンの三頭を持つ巨大な蛇として描かれます。クロノスと宿命の女神アナンケは宇宙を旋回し、天の回転と永遠の流れを動かすとされています。この描写は、古代社会が時間を原始的で壮大、しかも必然的なものとして捉えていたことを示唆しています。
現代科学が切り開く新たな時間観
今日、私たちは現代科学という強力なツールを手に入れ、時間をより客観的に捉えることが可能となりました。量子世界や宇宙規模の現象においても、時間は従来の直感と異なる振る舞いを見せます。例えば、ブラックホールの中心部では時空の歪みが極端で、時間自体が意味を失う領域が存在すると指摘されています。
グイド・トネッリ氏へのインタビュー
イタリアのピサ大学に所属する素粒子物理学者グイド・トネッリ氏は、著書『Time: The Dream of Killing Chronos』で、人類と時間の関係について問いかけています。インタビューでは、時間を「止める」あるいは「逆行させる」という古代からの夢が、現代科学でも完全に否定できないことが語られました。
時間概念の歴史的変遷
トネッリ氏は、17世紀のニュートンやカントが提示した絶対的時間と空間の概念が、19世紀以降のタイムゾーン制度へと受け継がれた経緯を説明します。その後、20世紀初頭の特殊相対性理論により、時間と空間は不可分の関係であることが明らかになり、続く一般相対性理論で質量エネルギーが時空を曲げることが示されました。
ミクロとマクロで異なる時間の矢
日常世界では時間は一方向にしか進まず、コーヒーをこぼすと元に戻すことはできません。一方、素粒子レベルでは時間対称性が保たれ、t と –t が区別されない方程式が用いられます。エントロピーの増大が巨視的な時間の矢を生む一方、ミクロの世界では時間の流れを逆転させる可能性が理論上は存在します。
人間の時間感覚と脳の働き
トネッリ氏は、時間感覚が脳の扁桃体付近に位置し、感情や記憶と密接に結びついていると指摘します。ストレスや緊張状態では時間が伸びたり縮んだりする主観的体験が報告され、これは神経科学的研究でも裏付けられています。
時間を超える科学の可能性
最後に、トネッリ氏は時間が根本的な要素であるかどうかは未解決の問題であり、将来的に時間なしで世界を記述できる理論が登場する可能性も示唆しました。時間という概念は、今後も人類の探求心と科学の進展を牽引し続けるでしょう。
元記事: https://gizmodo.com/inside-humanitys-ancient-obsession-with-conquering-time-2000796032